紛争の内容
5年前に他界されたご依頼者様の父について、ご依頼者様は、すべて他の相続人に財産を譲っていました。
ご依頼者様は、お父様に負債はないと思っていましたが、実は、お父様は知人の会社の連帯保証をしており、突如、知人の会社の債権者から保証債務2000万円の請求が来ました。
急いで知人に確認すると、確かに、お父様は連帯保証をしていたようで、時効の主張も困難な事案でした。

交渉・調停・訴訟などの経過
この事例では、ご依頼者様は、お父様の死亡時に相続財産の全てを他の相続人に譲渡し、しかも、負債を知らなかったことから、通常は3ヶ月以内にしなければならない相続放棄が今からでもできる可能性がありました。
そこで、受任して直ちに、請求をしてきた債権者に連絡し、相続放棄の手続きをとるから訴訟などは控えてほしいと要請をしました。
そして、ご依頼者様と共にお父様の本籍地に行って戸籍関係書類や相続登記の書類を取得し、詳しい説明書きを付けて、受任から3週間程度で、家庭裁判所に対して相続放棄の申立てを行いました。

本事例の結末
その後、裁判所からご依頼者様に対して若干の補足説明が書面で求められたものの、相続放棄を受理する決定が出され、無事、債権者にもその旨連絡することが出来ました。

本事例に学ぶこと
相続放棄は3ヶ月以内にしなければいけないのが原則であるものの、事情によっては、柔軟に裁判所は受け付けてくれることは、過去の裁判例も示しています。
事案にもよりますが、あきらめずに挑戦することが必要であると思います。