このページは、「財産をどう分けたら良いかわからない」という方のためのページです。
「財産をどう分けたら良いかわからない」という方のために、まずは、相続に関する基礎知識をご説明します。

相川弁護士

相続とは、被相続人(亡くなった方)の財産上の地位を相続人が引き継ぐことをいいます。
現在の法律では、遺言がない限りは配偶者・血族が相続人となり、被相続人の遺産を引き継ぐことになります。

相続は、被相続人の死亡時から自動的に開始されます。
そのため、相続人は被相続人が死亡した直後から、遺産の分割やそれに基づく名義変更等の煩雑な手続を強いられることになるのです。

相続で問題(紛争)となりやすいのは、

1:遺言の有無
2:相続人は誰か?
3:遺産となる財産は何か? それらの価値(評価)はいくらか?
4:遺留分を侵害されている相続人はいないか?
5:特別受益を受けた相続人はいないか?
6:寄与分のある相続人はいないか?
7:具体的な分割方法(何をどう分けるか)

などです。

遺言の有無

亡くなった方が自筆証書遺言や公正証書遺言を残していた場合には、原則として、その遺言書に記載されたとおりに相続が行われます。
そこで、まず最初にやるべきことは、亡くなった方が遺言書を作成していたかどうか確認することです。

自筆証書遺言は、生前に大事なものを保管していた場所(鍵のかかる引き出しや金庫など)にしまわれていたり、身近で面倒を看ていた親族が預かっていたりすることがあります。
また、遺言書保管制度(令和2年7月10日スタート)を利用して法務局に保管されている場合もありますので、最寄りの法務局に問い合わせてみてもよいでしょう。

公正証書遺言も、身近で面倒を看ていた親族が預かっていることがありますが、昭和64年1月1日以降に作られたものであれば最寄りの公証役場に照会をかけることで、公正証書遺言の有無、及びどこの公証役場に原本が保管されているかを調べることができます。

相続人は誰か?

遺言がない場合には、相続人の間で話し合って遺産分割をすることになります。
ここで問題になるのが、「誰が相続人になるのか」ということです。

誰が相続人になるのかは民法で決められており、これを「法定相続人」と呼びます。

※なお、「大変お世話になったので、相続人ではないけれども、将来この人に財産を残したい」という場合は、生前に遺言書を作成すれば、法定相続人ではない人に財産を残すことも可能になります。ただし、その際は、相続人の遺留分に配慮する必要があります。詳しくは「遺留分」の項目をご覧になって下さい。

法定相続人の範囲

1 配偶者(夫・妻。なお、相続開始前に離婚した過去の配偶者に相続権はありません)

2 血族
(1)直系血族
①直系尊属:父母・祖父母・曾祖父母・玄祖父母
②直系卑属:子(胎児や養子、非嫡出子も相続人になります)・孫・曾孫・玄孫
(2)傍系血族:兄弟姉妹・姪・甥

法定相続人の優先順位

民法は誰が相続人になるのかだけではなく、その範囲内での優先順位も定めています。

1 第1順位の相続(被相続人に子があった場合)
配偶者が相続します(配偶者が死亡している場合には、子のみが相続)。
この場合、被相続人の父母や兄弟姉妹には相続権はありません。

2 第2順位の相続(被相続人に子がなかった場合)
父母配偶者が相続します(配偶者が死亡している場合には、父母のみが相続)。
この場合、被相続人の兄弟姉妹には相続権はありません。

3 第3順位の相続(被相続人に子がなく、父母は既に死亡している場合)
兄弟姉妹配偶者が相続します(配偶者が死亡している場合には兄弟姉妹のみ)。

まとめますと、
➀被相続人の配偶者(妻・夫)は常に相続人になりますが、
➁被相続人の血族については、現に存命している血族の顔ぶれにより、誰が相続人になるかが変わる
ということです。
姻族(子の配偶者など)はたとえ生前どんなに被相続人と親しかったとしても、相続人にはなりません。
また、法律婚を経ていない内縁の配偶者も、相続人にはなりません。
他方で、存在すら知らなかった血族(認知された婚姻外の子など)が相続人になることがあります。

法定相続分

民法は相続人の範囲だけでなく、相続分(その相続人が遺産を取得できる割合)についても規定しています。
これを「法定相続分」といいます。

法定相続分の割合

1 第1順位の相続(被相続人に子があった場合)
子が1/2、配偶者が1/2を相続(配偶者が死亡している場合には、子が全部)

2 第2順位の相続(被相続人に子がなかった場合)
父母が1/3、配偶者が2/3を相続(配偶者が死亡している場合には、父母が全部)

3 第3順位の相続(被相続人に子がなく、父母は既に死亡している場合)
兄弟姉妹が1/4、配偶者が3/4を相続(配偶者が死亡している場合には、兄弟姉妹が全部)

子や親、兄弟姉妹が数人いる場合には人数で等分することになります。
例えば、夫が死亡し、妻と子3人がいるような場合には、妻が1/2、子3人がそれぞれ1/6(1/2×1/3)ずつを相続することになります。

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