紛争の内容
ご両親が土地建物をお持ちでしたA氏からのご相談でした。
ご相談内容は、ご両親のご兄弟が多く、そのご兄弟もなくなっている方が複数いるため、多数の相続人がいるのであるが、連絡がつかない。
建物が朽廃して危ないので取り壊したいのだけれど、どうすればよいか、というものでした。

交渉・調停・訴訟などの経過
相続人の一人で、建物が朽廃しているとはいえ、相続財産を勝手に取り壊してよいとは言えません。
そこでやむを得ず、全ての相続人に連絡をし、相続分(相続の権利)を譲ってもらうようお願しました。
しかし、半数以上の方からは連絡がもらえなかったので、止むなく、連絡をくださらなかった方達を相手に、遺産分割調停を申し立てました。

本事例の結末
調停が始ってからは、裁判所からの連絡ということもあってスムーズに運び、皆さんから相続分を譲ってもらったり、相続分を放棄してもらったりして、依頼者が、土地建物を相続する内容の審判が成立しました。
これにより、土地建物は依頼者のものになったので、取り壊して安全策をとることが出来るようになりました。

本事例に学ぶこと
 相続人が多数いる遺産分割の場合には、調停の方が早く進む可能性がありますので、交渉とするか調停にするかの見切りを上手くつけることが必要だと考えております。