事案の内容
相続人の一人の行方が知れず、遺産分割協議が進まないということで家庭裁判所に不在者財産管理人選任申立てがなされた事案について家庭裁判所から不在者財産管理人に選任されました。
事件処理の経過
申立書を確認しましたが、不在者の情報は過去の住所以外すべて不明とのことでしたので、申立人に事情を聞いたところ、把握できている住所も既に職権消除されたものであり財産関係等の一切が不明であるとのことでした。
住所等について役所に問い合わせましたが有力な情報は得られず、財産関係についても調査をしましたが明らかになる部分はありませんでした。
そのため、この件に関しては遺産分割協議を調えた上で残余財産については法務局に供託する方法で対応することしました。
本事例の結末
遺産分割については法定相続分を主張し、その内容で家庭裁判所の許可を得た上で遺産分割協議を調えました。
遺産分割協議に基づき不在者の相続分に相当する金員が入金されましたので、家庭裁判所から報酬付与の審判を受け、その余の部分については法務局に供託することとしました。
供託後は管理すべき不在者の財産がなくなったため不在者財産管理人としての業務は終了となりました。
本事例に学ぶこと
遺産分割の際に特定の相続人と連絡がつかないということがあり得ます。
連絡がつかないというレベルが生存は確認できているが疎遠で連絡がつかないというレベルなのか生きているか死んでいるかどこにいるかも分からないというレベルなのかによってとるべき手続が異なります。
後者のケースで調査を尽くしても何の手がかりも得られないという場合かつそのような状態でも遺産分割手続を進めたいという場合には遺産分割手続のため不在者財産管理人選任の申立てを検討することになります。
弁護士 吉田 竜二









