紛争の内容
被相続人の遺産分割において、相続人である妻、子、および代襲相続人である孫2名の間で協議が行われました。
一度は全員の合意により遺産分割協議書が作成され、孫らも署名捺印を済ませて原告へ返送しましたが 、その後に相続登記に必要な印鑑証明書の交付を拒絶し、連絡が取れない状態となりました。
交渉・調停・訴訟等の経過
相手方である孫らが書類の交付に応じないため、原告は単独での相続登記が進められない状況に陥りました。
そこで、遺産分割協議書が真正に成立したことの確認を求める「証書真否確認の訴え」を地方裁判所に提起しました。
本件では、被告らが自ら署名捺印して郵送してきた事実を証拠として提出し、協議の有効性を客観的に証明する手続を進めました。
本事例の結末
裁判所において、遺産分割協議書が被告らの意思に基づき真正に成立したものであることが認められました。
この確定判決を印鑑証明書の代わりとして法務局に提出することにより、協力が得られなかった被告らの承諾を個別に得ることなく、原告が単独で不動産の相続登記手続を完了させることが可能となりました。
本事例に学ぶこと
遺産分割協議書への署名捺印後に相続人が翻意したり、連絡を絶って書類の交付を拒んだりする場合でも、裁判手続を通じて登記を完了できる可能性があります。
登記先例に基づき、協議書の真否を確認する判決を得ることで、非協力的な相続人がいる状況を法的に解決できます。
早期に弁護士へ相談し、適切な訴訟を選択することが円滑な遺産承継に繋がります。
弁護士 申 景秀









