紛争の内容 
父親が死亡し、相続人は妻A、子B、C、Dの4人。
遺産は自宅不動産と預貯金。
相続人のうちCは、これまでに事業の失敗を繰り返し、A、B、Dのそれぞれから多額の援助を受けてきたという事情があり、家族間でよく話し合ったところ、「自分は今まで散々迷惑をかけてきたので、今回の相続は辞退したい」ということになった。

交渉・調停・訴訟などの経過
弁護士が入っての交渉はなし(当事者間で分割方法の合意がまとまってからのご依頼)

本事例の結末
遺産はA、B、Dがそれぞれ3分の1ずつ取得することとし、Cは何も取得しない旨の遺産分割協議書を作成した。

本事例に学ぶこと
Cは亡父(被相続人)から援助を受けてきたわけではなく、被相続人から多額の生前贈与を受けたというケースではないことから、本来であればCは法定相続分を取得する旨の主張をしてもよかったはずである。
しかし、本件では家族の関係性が良く、C自ら進んで遠慮する形ですんなりと合意がまとまったケースであった。