紛争の内容

 Aさんは、交通事故により脳出血を起こし、意識不明となってしまいました(後遺障害等級1級1号)。相手保険会社との交渉・自らが入っている保険会社との交渉をして保険金を払ってもらうには、家族の代理ではできず、「成年後見人」の選任が必要となります。
 Aさんの家族は、成年後見人の選任を裁判所にお願いし、当事務所の弁護士が成年後見人として選ばれました。

交渉・調停・訴訟などの経過

 弁護士が成年後見人となった後、①本来の後見業務(身上監護等)は、ご家族と密に連絡をとりながら、協力して行いました。
 平行して、②交通事故損害賠償 については、保険会社と交渉を続け、結局は、「民事調停」を行うことになりました。民事調停では、当方の主張が全面的に認められ、合計5000万円以上の保険金を得ることになりました。

本事例の結末

 交通事故損害賠償が終了した後、難しい法的手続きはなくなったので、親族に後見人を引き継ぐ手続きをしました。無事に、弁護士は後見人を辞任し、親族後見人に引き継ぐことができました。
本事例に学ぶこと
 法的問題の解決のためだけに、一次的に弁護士が成年後見人になるケースがあります(その後、成年後見人を引き継げるような親族がいる場合)。そういったケースでは、成年後見開始の際に、裁判所とよく協議する必要があります。

弁護士 申 景秀