事案の内容
依頼者の方は、生前、被相続人から自筆の遺言書を預かっていました。

被相続人の方がお亡くなりになったことから、今後の相続手続きについてご相談を受けました。その後、当事務所にご依頼されました。

事案の経過(交渉・調停・訴訟など)
ご依頼後、まずは、遺言書の検認手続きを行いました。

検認手続きとは、相続人に対して、遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、遺言書の形状や状態、日付、署名などについて、検認時点における遺言書の内容を明確にするとともに、当該遺言書の変造を防ぐための手続きです。
遺言書を保管していた者等は、遺言者の死亡を知った後は、遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出して、検認を請求しなければなりません。

検認手続き後、遺言書の内容に沿った遺産分割を行いたい旨の通知を、相続人の方々にお送りしました。
ほとんどの相続人の方は、こちらの提案に賛同していただけましたが、1人だけ、何らの返答もいただけない方がいました。

そこで、相続人の方全員を相手方として、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てました。
こちらの提案に賛同いただいた相続人の方々からは、事前に同意書を頂いていたため、それらも申立て時に提出しました。

本事例の結末
調停を申し立てる前にご返答をいただけなかった相続人の方は、調停にも出頭されませんでした。
そのため、本件では、調停に代わる審判がなされました。
調停前にご返答も頂けず、また、調停にも出頭もせず、書面も提出しなかった方は、結局、裁判所の審判にも異議も述べませんでしたので、遺産分割を実現することができました。

本事例に学ぶこと
本件では、相続人の方のうち1人が遺産分割協議に応じていただけませんでした。
そのような場合には、裁判所の調停等の手続きによって、遺産分割を実現していくことになります。

身近な方の相続が発生した際には、お早めに弁護士にご相談ください。

弁護士 榎本  誉
弁護士 赤木 誠治