事案の内容
ご依頼者の方は、ある日、ご依頼者の親族を遺言者とした遺言書検認申立事件の期日通知書が届き、同通知書により親族が亡くなっていたこと、自身が相続人となったことについて知りました。
ご依頼者の方は、被相続人にどのような財産があるのかを把握していなかった上、被相続人が負債を抱えている可能性も考えました。そして、特段、被相続人の財産について欲するというわけでもなかったため、相続放棄を行いたいと考え、当事務所へ相続放棄の手続代行をご依頼いただきました。

事案の経過(交渉、調停、訴訟など)
相続放棄申述を行うためには、裁判所に提出を求められる書類を用意する必要があります。
主に用意すべき書類は、戸籍謄本や住民票といった書類となりますので、まずはこれらの書類を集めることから始めました。
これらの書類は、手続についてご依頼いただけますと、弁護士の方で取り寄せることができます。これらの書類を集めることを通して、相続人についても同時に調査を行うこととなります。
相続人の調査が無事に完了し、必要書類について集めることができたため、相続放棄申述書を作成しました。
これは、どのような理由で相続放棄を行うのかということについて裁判所に説明するために必要な書類です。
本件では、被相続人の財産を把握しておらず、負債がある可能性も考えられる、被相続人に財産があったとしても欲しないということを裁判所に説明しました。
 また、相続放棄が行える期間内であるということを裁判所に伝えるために、相続の開始をいつ知ったかということを裁判所に説明する必要があります。本件では、遺言書検認申立事件の期日通知書が届いたことで、ご依頼者の方は自身のために相続が開始したことを知ったので、その旨を記載した申述書を作成しました。
 相続放棄申述書の作成が完了したため、必要書類と合わせて、裁判所に対して相続放棄申述受理申立てを行いました。
 なお、申立てを行う際に、相続放棄申述受理が行われた場合にその証明書を発行してもらうべく、証明書発行の申請書も作成し、裁判所へ提出しました。

本事例の結末
相続放棄が裁判所に受理され、相続放棄が完了しました。
その証明として、相続放棄申述受理通知書と相続放棄申述受理証明書が裁判所より届きました。

本事例に学ぶこと
相続放棄の手続を行うためには、必要書類を集めて、申述申請書を作成するなど、書面を用意し、整えるという作業が必須となります。どのような書類を集めればよいのか、また、どうやって書類を集めればよいのかということについてご不安に思う点もあろうかと思います。
特に相続放棄には期間の制限があります。期間の制限を過ぎていても場合によっては、相続放棄の申述が受理されることはあります。
相続放棄手続にご不安がある場合には、ぜひ一度ご相談ください。

弁護士 野田泰彦
弁護士 遠藤吏恭