紛争の内容

生前自分一人で会社を経営していたAさんは、ある日交通事故で突然亡くなってしまいました。

配偶者や子はいましたが、Aさんの会社の負債を保証している危険もあるとして、全員相続放棄をしてしまいましたが、Aさんが個人で使っていた車や、その駐車場などが残っており、Aさんの債権者が相続財産清算人の選任を申し立てたのです。

交渉・調停・訴訟等の経過

Aさんの遺族らから話を聞き取ったところ、車などのほか、Aさんが生前使っていた機械やゴルフクラブセット、高級時計なども残されていることが分かりました。

駐車場については、車を売却することで無事駐車場賃貸人に明け渡すことができ、機械などについても業者に買取をお願いし、無事換価ができました。

Aさんの会社については不明なところもありましたが、Aさん宛の手紙などから知れたる債権者には通知を出すことができ、大きな債務はなく、税金などの滞納と、携帯電話代などの少額の未払があるだけということが分かり、上記換価して知れたる債権者に弁済しても、なお900万円近くの財産が残ることになりました。

本事例の結末

相続財産清算人の報酬、立て替え実費を除いても、大部分の金員を国庫に納めることでき、相続財産清算人選任を申し立てた債権者にも納得をいただくことができました。

Aさんのご遺族も、Aさんの残された物品を安全かつ適法な形で処分することができ、安心いただくことができました。

本事例に学ぶこと

法定相続人がいても、その関係が希薄であったり、債務があるかもしれないと心配して全員相続放棄されてしまうということはあることです。

債権者の立場でも、相続財産清算人は何とか処分等必要なマイナス・プラスの財産の整理のために大切な制度だと感じました。

弁護士 相川 一ゑ