紛争の内容
ご依頼者の方は、ご自身の亡き後、残されたご家族の間で遺産を巡る争い(争続)が起きることを強く懸念されておりました。特に、特定の相続人に特定の財産を確実に引き継がせたいというご希望がありましたが、法的に不備のある遺言書ではかえって混乱を招く恐れがあったため、確実性の高い遺言の準備が必要な状況にありました。

交渉・調停・訴訟等の経過
まずは、ご依頼者の方のご意向を詳細にヒアリングし、財産目録の整理とともに、法的効力を最大限に発揮するための遺言案文を作成いたしました。

その後、当職が窓口となり公証役場との細かな調整や打ち合わせを代行いたしました。公証人との文言確認や必要書類の収集を弁護士が主導することで、ご依頼者の方の負担を最小限に抑えつつ、法的に微塵の隙もない書面を整えるプロセスを進めました。

本事例の結末
最終的に、公証役場において無事に公正証書遺言を作成・保管することができました。

公証人と弁護士という二重の専門家のチェックを経たことで、形式的な不備による無効のリスクを排除し、ご依頼者の方の真意を反映した遺言書が完成いたしました。

これにより、将来的な親族間の紛争リスクを大幅に低減させることができ、ご依頼者の方からも「これで安心して余生を過ごせる」とのお言葉をいただくことができました。

本事例に学ぶこと
遺言書にはいくつかの形式がありますが、後の紛争を防ぐという目的において、公正証書遺言は最も確実で推奨される手段です。自筆証書遺言は手軽な反面、書き方のミスで無効になったり、内容の解釈を巡って逆に争いの種になったりする危険が拭えません。

本事例のように弁護士が介入することで、単に形式を整えるだけでなく、将来起こりうるトラブルを予測した最適な条項を盛り込むことが可能となります。

公証役場との複雑なやり取りを専門家に任せることは、正確な遺言を遺すためだけでなく、ご依頼者の方の精神的な安心感を得るためにも非常に大きな意味を持ちます。

弁護士 遠藤 吏恭