紛争の内容
相談者は、幼いころにお父様を亡くされましたが、そのお父様の母（相談者の祖母）が近年亡くなられ、代襲相続人という立場になりました。
しかし、祖母は生前、相談者の父の兄（相談者の叔父）に、祖母の唯一の財産である土地を「相続させる」という内容の公正証書遺言を作成しておりました。
相談者は、祖母が亡くなったことすら叔父から聞かされておりませんでしたが、祖母が亡くなってから半年ほど経ってから、別の親族を通じ、祖母が亡くなっていたこと、叔父が祖母の財産を全て相続していたことを知るに至り、自分にも祖母の財産を少しは分けてほしい、と叔父に対し求めたのでした。しかし、叔父は自分が祖母の遺言で全てを承継した、という一点張りで、話に応じようとしませんでした。そこで、法律相談をし、相談者にも遺留分というものがあり、法定相続分の半分は権利が確保されていることを知ったことから、この請求を叔父にするため、交渉事件として弁護士に依頼することとしました。
交渉・調停・訴訟などの経過
叔父は当初、自分が相続したなどと主張しましたが、遺留分として土地の価格を路線価等で計算したものを当職から突きつけ、遺留分相当の土地の評価額を支払えと求めました。
本事例の結末
叔父は、遺留分及び土地の評価額に争いようがないとして、和解金として請求額どおり金員を支払い、無事事件が終了しました。
本事例に学ぶこと
相手方が承諾するほかない資料と法的根拠を突きつければ、交渉で目的が達しうると感じました。
