榎本弁護士

成年後見制度は
精神上の障害(知的障害、精神障害、痴呆など)により判断能力が十分でない方が、不利益を被らないよう家庭裁判所に申し立てをして、その方を援助してくれる人を付けてもらう制度です。

例えば、一人暮らしの老人が悪質な訪問販売員に騙されて高額な商品を買わされてしまうなどといったことを最近よく耳にしますが、こういった場合も成年後見制度を上手に利用することによって被害を防ぐことができます。また、成年後見制度は精神上の障害により判断能力が十分でない方の保護を図りつつ、自己決定権の尊重、残存能力の活用、ノーマライゼーション(障害のある人も家庭や地域で通常の生活をすることができるような社会を作るという理念)の理念をその趣旨としています。従って、成年後見人が選任されても、スーパーで肉や魚を買ったり、お店で洋服や靴を買ったりするような、日常生活に必要は範囲の行為は本人が自由にすることができます。

申立に必要な書類と費用

成年後見制度を利用するには本人の住所地の家庭裁判所に申し立てをする必要があります。申し立ての必要な書類と費用はおよそ以下のとおりですが、事案によって異なりますので詳しくは管轄の家庭裁判所に聞いてみるのがよいでしょう。

・申立書(定型の書式が家庭裁判所に行けば無料でもらえます)
・本人の戸籍謄本、住民票、後見登記されていないことの証明書、診断書
※後見登記されていないことの証明書は、東京法務局が発行する後見開始の審判等を受けていないか、あるいは既に受けているかについての証明書のことです。
・成年後見人候補者の住民票
・申立書付票
・本人の財産目録、財産を裏付ける資料(不動産登記簿謄本、預金通帳など)
・本人に関する報告書

また、費用としては以下のものがかかってきます。

1)収入印紙
後見開始の申し立て 800円

保佐開始の申し立て 800円
保佐開始の申し立て+同意権追加の付与の申し立て 1,600円
保佐開始の申し立て+代理権付与の申し立て 1,600円
保佐開始の申し立て+同意権追加付与の申し立て+代理権付与の申し立て 2,400円

補助開始の申し立て+同意権追加付与の申し立て 1,600円
補助開始の申し立て+代理権付与の申し立て 1,600円
補助開始の申し立て+同意権追加付与の申し立て+代理権付与の申し立て 2,400円

2)切手
各裁判所によって異なりますが、およそ3,000~5,000円程度です。

3)登記費用
成年後見制度では、その結果を登記する必要があります。そのための費用として登記印紙4,000円分が必要となります。※収入印紙とは異なりますのでご注意ください。

4)鑑定費用
成年後見制度を利用する場合は、明らかにその必要がないと認められる場合を除いて、本人の精神の状況について医師その他、適当な者に鑑定をしてもらう必要があります。鑑定費用の額は事案にもよりますがおよそ5~15万円程度です。

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