相続人は,妻,子ども3人。遺産は,不動産,預貯金。兄弟間で,主に学資について,特別受益にあたるかどうかの点が争いになった。

相手方となった兄は、被相続人と妻も大卒で、他の親族も高学歴の者が多かったため、被相続人が受けてきた教育環境、社会的地位などからして、高等教育を受けさせることは、扶養の一部と考えるべき、つまり、特別受益にはあたらないと主張していた。

ただ、今回の場合は、申立人の在籍していた大学が、私立大学で、3年間の留年があったことから、物価指数を掛けて再計算すると、他の大学卒の兄弟に比べても、学費が多額になっていた。

そのため、相手方の学費の一部約200万円が特別受益として認められることになり、申立人の取得分が増加した。