父親と同居していた土地について、父親所有のものと考えていたところ、実際には曾祖父のものであり、曾祖父の代から一切相続手続がなされていなかった状態でした。
父親が死亡し、同土地上に家を建て替える関係もあり、同土地を依頼者の方の単独所有としたかったため、遺産分割調停を共同相続人らに申立てることとしました。

曾祖父の相続開始から、かなりの年数が経過してしまっていたため、既に死亡した方を除いても、本件土地の共同相続人は20人以上になっており、高齢者で認知症を患っている方もいました。
また、古い戸籍等については、既に保管期間を過ぎたものや、第二次世界大戦により焼失してしまったものなどもあり、戸籍が追えない、実際に生存が確認できない法定相続人もいました。

共同相続人のうち、遺産分割調停申立て前に交渉出来る方々に対しては、予め事情を説明の上、手続内で依頼者の方に対し相続分の譲渡を頂きました。
また、生存が確認できない法定相続人については既に死亡しその方の相続人も存在しないであろうことを裁判所にご説明した上で、調停の当事者から外すこととしました。

その上で、認知症を患っている方については成年後見の申立てをお願いし、選任された成年後見人から相続分の譲渡を受け、その他交渉が出来なかった方々には代償金をお支払いすることにより、本件土地を依頼者の方の単独所有とする遺産分割調停を成立さることが出来ました。